その他
混沌とした世界で思うことはただ一つ

(2010/10/30)

d.g 神田とラビ




「なぁ、ユウ、」
「オレに構うな」
オレンジにも似た明るい色を、神田は振り向くこともなく拒否していた。すたすた、と迷うことなく、道を進んでいく。その道端に、名も知らない花が咲いていた。雑草に囲まれて、今にも枯れてしまいそうだ。
ラビは神田の腕を掴んで止めた。
「冷たいじゃん」
「ウザいぞ」
「そう言わないでさ」
少し、遊んじゃわない? 黒いコートにローズクロスを掲げた者が言う台詞ではない。腕を振り払い、神田はラビを無視してさっさと歩く。遊んでいる暇などない。任務遂行にも、彼自身にも。ラビは疲れた顔で仕方ないとついていく。とぼとぼと、やる気のなさが見てとれた。
「帰ってもいい、オレ一人で十分だ」
「まっさかー。そんな軽い仕事じゃないさ」
「なら、いい」
「なんでオレらなんだか」
「知るか、そんなこと」
何を考えているのか、互いにわかっていた。ただ、自分が考えていることは、いまいち把握できていない。
ときおり、本気で感じてしまう。世界はどうして、こんなにも僕らに厳しいのだろうか。
まだ若い少年たちは、世界に反抗したかった。





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妄葬

まとまらない、何も思い付かない、話にならない
とりあえず、歩いてもらった、言いたいことはない



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