無双
風雲月露

(2010/09/25)

(諸←)懿+丕





相も変わらず、見事な詩だと思った。これは本当だ。曹丕の後ろで、司馬懿はその詩を静かにきいていた。
「仲達、お前も詠め」
「できませぬ」
風流の類いには、てんで関心がなかった。策に使えるだろうこと、そういうものならば常に意識している。しかし、以外は駄目だ。詩を詠むことは、一番の苦手だった。曹丕もそれを知っていた。
「……諸葛亮」
曹丕がポツリと口に出した名前に、俯いていた司馬懿が顔を上げた。案の定、曹丕はニヤリと笑っていた。
「曹丕殿!」
「なんだ、これでも駄目なのか」
悶える司馬懿は、しばらくして宮城へ走り出した。それを咎めるでもなく、曹丕はまた詩作に更ける。皇子が一人でいるのは危険だろうに。

「司馬懿、我が君を知りません?」
「曹丕殿は、外にっ」
「あら、何を急いでいるのかしら」
まぁ、気にしませんわ。





-----------------




|

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -