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佐保姫が微笑む

(2010/09/20)

現代.慶半




「春がきたっ」
キャンパスの中心――ではなく、食堂のすみで、慶次が突然立ち上がった。もちろん、彼に視線が集まっている。一緒にいる半兵衛は羞恥に顔を赤らめた。かといって、ここで食堂を出ていくのは、余計に目立つではないか。計算できない結果は、嫌いだ。
集まった好奇の視線に慶次は、あろうことか、ブイサインで応えた。周りは、訳もわからず、ただ楽しげに拍手を送った。間違いなく、食堂の中心に、慶次がいた。
「早く座りなよ」
「悪い悪い」
にこにこ、笑顔が眩しい。
「それで、半兵衛が、デートしてくれんの」
「デートじゃない、買い物だ」
「それをデートって言うんだよ」
「違う、買い物だよ」
どんなに否定されても、慶次は嬉しそうに笑っている。それには半兵衛も困ってしまうのだ。




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佐保姫>>隠江




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