bsr
僕はまた夢を見る。
(2010/03/30)
(親→就)
最近の夢に出てくるのは、海の向こう側の、端正な容姿の、あの智将だった。
凛とした佇まいの彼は、得物を手にとると、刃を元親の喉元に突き付けた。元親は後退りもせずに、にぃ、と笑うのだ――
「……起きるぞ」
すずめの鳴き声が聞こえてきた。あぁ、朝だ。
「おはよう、アニキ」
「……親貞」
「ん?」
どうかした、と返されて、元親は幸せそうに笑った。
「毛利に会えた」
親貞は何も言わなかった。その方が良いと思ったからだ。
「あいつの夢にも、俺が出ていたら、すごく、嬉しいのによ」
幸せそうで、同時に寂しそうだった。
(そして、また、夢を見るのだ)
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title by Seventh Heaven
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