一次創作
そうです、僕らに残されたのは「泣く」という愚かで美しい行為だけです

(2010/05/27)



あの方がいなかったら、結局、僕らには何もできないのだろう。現に、あの方がここを去られてしまい、残された私たちからは活気が失せた。活気が失せて、村は寂れた。村は寂れて、暮らしも貧しくなった。貧しくなって、人々は飢えた。

「飢えた私たちは、ただ嘆きました」

それ以外、何もできなかったのだ。
どうか、お戻りください、先生――
私たちは、口々にそう言った。そうして、泣いた。
なんて哀れなのだろう。自分たちでどうにかしようという気力も、もはや考えすらしないのだ。

『しようがない人間どもだ。致し方あるまい、我が手助けしてやろう』

その先生は、もういない。
私たちは絶望のなかにいました。本当はそこから希望を見出だせるのだ。しかし、こんなにも哀れな私たちには、できるはずがなかった。

ああ、先生……
あの方を慕い、流す涙は清らかで美しい。されど、同時に愚かしい。

わかってはいても、私には、どうしようもないのだ。




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ごめんなさい。お題に対して、非常に申し訳ない。まとまらなかった。まとまらないまま書いて、この有り様だ。




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