蜀の和気藹々
馬超と馬岱

(2010/05/07)



「いざ……」
「勝負だ、子龍さま!」


趙雲対雲緑、先に片膝を着いた方の負けになる。武器はなし、素手で勝負。制限時間はとくになし。手加減も、なし。
二人の攻防を、少し離れた位置から、雲緑の兄である馬超と、従兄の馬岱が見ていた。


「負けろ、趙子龍」
「孟起も拘るねぇ。何もそこまで嫌う必要はないと思うけれどね」


妹愛、過ぎると危険。
仕方ないから、趙雲殿を応援しようか。軽く言う、馬岱は、涼しげであり、ここにいるなかで、一番冷静に見える。


「何をしているのかな」


よく通る低い声は、諸葛亮だった。突如として現れるのは、彼の得意分野なのかもしれない。
諸葛亮はちらりと趙雲たちを確認すると、クスリ、と笑った。馬超と馬岱には、その笑みが、なぜか恐ろしく思えた。軍師殿は、怖い方だ、と思っていた。味方で良かった。
以前、馬岱は趙雲にこんなことを言ってみたことがある。軍師殿と仲が良い理由がわからない、と。趙雲曰く、諸葛亮は不思議系らしい。お前がそれを言うのか。しかし、馬岱は、そんな諸葛亮が嫌いなわけではなかった。配下であっても、いいかな、おもしろそうだし。


「おやおや、あの趙雲殿が押されるとは……、雲緑殿の武勇は噂以上だね!」


馬超の目が輝く。妹を誉められて、悪い気はしない。彼の諸葛亮に対する好感度が急上昇した。単純過ぎるぞ、馬孟起。





「負けた……」
「へへっ、体術なら、子龍さまにだって負けないんだから!」
「……今回だけだからね、雲緑どの」


まずは雲緑の勝利でした。





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基本的に、和気藹々です。

馬岱……馬超の従兄。演技では、弟分として扱われる。史書と演技で経緯は変わるが、魏延の首をとった人物。
ここでは、クール?な蜀将で、お兄さん的立場です。




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