その他
白湯
(2010/03/11)
(ブレ10.幸村×六郎)
注:)冒頭は若干えろい
「あ、ぁ……、若……?」
苦しそうに、六郎が幸村を呼んだ。
体を繋げ、しばらくゆるりと腰を動かしていた幸村が、ぴたりと律動を止め、六郎を見下ろした。白い頬に手を添え、そっと撫で上げると、六郎は小さく声をあげた。
「どうかしたか」
「いえ……、ただ……」
「『ただ』?」
「……なんでも、ありません」
そうか、と素っ気なく返事が返ってきた。幸村の手は、頬だけでなく、髪、首筋、腕――身体中を撫でていく。その手が離れると、急に腰を揺らされた。攻め立てられて、六郎はただ喘ぐだけだった。
腰が痛かろうが、声がかれようが、六郎は仕事を忘れたりはしなかった。幸村の小姓として、すべきことをするだけだ。
「若、若、そろそろ起きてください」
六郎が体を揺さぶれば、寝返りを打たれた。まだ、起きてくれる気配はなかった。はぁ、と息を吐くと、六郎は立ち上がった。その息は、白かった。今朝はだいぶ冷え込んでいるようだ。白湯でも持ってこようと、踵を返したときだった。
「早いのぅ、六郎」
目は瞑ったままだ。大きなあくびをして、幸村が六郎を呼んだ。
「いつもと代わりありません。今、白湯を用意しますので、それまでにご起床ください」
返事の代わりに、掛布団から出した手をひらひらと振られた。
意外なことに、六郎が白湯を手に戻ってきたときには、幸村は上体を起こしていた。
白湯で喉を潤して、眠気を覚ましていく。
「お前は飲まないのか?」
「私には必要ありませんので」
「喉、痛くないのか?」
昨日はいじめすぎたしのぅ。軽く言って笑う幸村に、六郎は思わず殺意を抱きそうになった。その気を感じてか、幸村は冗談だ、と付け加えた。しかし、笑いは止まらない。
「できた家臣だよ、お前は」
「若?」
「わしだけのものだ」
全部、わしのものだ――
六郎は一歩下がると、恭しく跪いた。
すみません、ただ書きたかっただけで、何の目的も方向性もなかったです。今さらながら、すげぇ恥ずかしいわ。
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