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Happy Valentine

(2013/02/15)

オランダと日本



いつも通りを装うポーカーフェイスの日本だか、違和感があるのは、きっと気のせいではない。どうにも落ち着かないようで、何でもない顔でお茶を溢す日本の頬を、オランダは茶菓子をかみ砕きながらつねってみた。いたいです、と当然のことを言う日本の頬は不自然に赤くなり、自分のせいだが、笑えた。
頬を擦る日本が、大きなため息を吐く。オランダが構わず二枚目の煎餅を手に取れば、吹っ切れたように立ち上がった。
「妙に緊張しているほうが、馬鹿を見ますね」
気づくと茶菓子はひとつもない。日本は追加分を取りに行くつもりだったのだ。
台所に向かおうとした日本の足首を、オランダがさっと掴んだ。これまた当然のごとくすっ転んだ日本が、鼻を押さえながらにらんできた。鼻血は出ていないから大丈夫だ、曲がってもいないから問題ない。
怒りを露にする日本は珍しい。ここに地中海のうるさいやつらがいなくてよかった。
いい加減にしてください、と言わんばかりの日本の眼前に、オランダはクッキーの詰め合わせを差し出した。
「花は先週渡したばっかじゃけんの」
「……最初からふつうに渡してくれればよかったじゃないですか」
皮肉の一つや二つ、言いたくもなる。





間に合ってないし。




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