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誰かをおもって泣く夜も/ディープリバー

(2012/12/11)

やめた。





俺はいつまで子供なのだろうか。
ロヴィーノのプリントは真っ白のまま、夜が更けていく。提出日は明日だというのに、これでは間に合いそうにない。
そんなことはどうでもよくて、指でシャーペンを回してみたり、携帯電話を開いたり閉じたりしながら、ため息だけがこぼれた。
このままベッドに入っても、眠れる気がしなかった。








飛び込み台に立って、そっと目をつむって集中力を高めた。息を吸ってプールに飛び込んだ。手を、足を、力の限り動かす。早く、もっと早く。ゴールして顔を水面に出す。ゴーグルを外してコーチに目を向けたが、ストップウォッチを持ったコーチは曖昧に笑うだけだった。

タイムが延びない。それどころか落ちてきている。
制服に着替えて髪を乾かしたエリザベータは、盛大にため息を吐いた。
要するに、スランプなのだ。伸び悩んで、悔しいけれど、フラストレーションは悪化していく。趣味だって、うまくいかなくなっていく。
重いため息が絶えない。鞄をぞんざいに掴み、水泳部が独占する屋内プールを出た。Summer



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