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トルコさんと日本娘さん

(2012/08/07)



あ、と小さい悲鳴が聞こえて、トルコは後ろを振り返った。連れが道に座り込んでいた。顔色が悪い。視線の高さを合わせるように片膝をついて、震える肩に手を置いた。
「おい、どうしたってんでぃ、日本」
手袋を外した直の手で頬を撫でられ、日本はまたふるふると震え出した。トルコはいよいよ心配になる。しかし日本が言ったのは、トルコが想像したのとはまったく違っていた。
「こ、腰が……!」
そのときのトルコの顔は、きっと、これ以上なく、無表情だった。

そんなトルコは知らず、日本は珍しい洋服の上から腰をさすっていた。長い白のスカートが道端に広がっていて、汚れてはしまわないかと心配になった。
トルコの後ろ姿を見失わないように、ヒールのないパンプスで、急ぎ足で歩いていた。そこで不注意か、らしくもなく体格のいい男性にぶつかり、持病が祟った。やはり歳だ。情けないが、そればかりはどうしようもない。
とは言え、せっかく誘ってもらえた休日なのに、これは残念すぎる。だんだん泣きそうになる自分に、日本は俯いて顔を隠した。

「……日本」
トルコが低い声で日本を呼ぶと、彼女の体はひょいと持ち上げられていた。背中と足に腕を回され、横に抱かれて、日本の顔は面白いくらいに赤くなった。それを見て、トルコは満足したように笑った。
何事もないように歩き出すトルコに、日本は何も言えず、トルコの服を掴み、胸に顔を押し付けた。拒まないあたり、満更でもないらしい。
「……じゃ、デート再開すっか」
とりあえず適当に店に入って、座らせてやるよ。
日本は黙って頷いた。







いくら可愛くてもばばぁはぎっくりごs




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