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さむいね

(2012/02/03)

立と波




 ――マジ寒いんだけど。
毛布に包まりながら暖炉の前に居座る友人に、リトアニアはコーヒーを淹れていた。ポーランドにはミルクと砂糖を多目で、甘く仕上げる。
 ――熱いから、気を付けて飲んでよね。
 ――バカにすんなしー。
言ったそばから、熱っ、などと叫ぶポーランドに、リトアニアは軽く目を向けた。
大寒波の影響は甚大で、皆が寒さに震えていた。早く晴れないかな、暖かくならないかな。凍りついた窓の向こうに見やり、リトアニアはため息を吐いた。部屋の中にも関わらず、吐いた息が白い。
 ――イタリアってあったかいかな。
 ――どのみち、外には出られないでしょ。
 ――つまらんしー。
じたばたとポーランドが足を動かす。着ぶくれているから、いつもより静かだ。いつの間にか、コーヒーは飲み終わったらしい。おかわり、と聞こえた気がした。カップはただテーブルの上に置かれているだけだ。
 ――リト、春になったら、何するん?
 ――うーん、どうしようかな。
 ――二人で南国にでも行こ、いっぱいナンパするんよ!
 ――何それ、似合わないよ。
 ――俺だってできるし!
盛り上がってきたポーランドは、南国での予定を語りだした。元気になってきたら、この寒波は乗り越えられそうだ。とりあえず、まずは雪かきだな、とリトアニアは残りのコーヒーを飲み干した。




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東欧が、無事に大寒波を乗り越えますように




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