その他
閑散空間 1

(2011/12/31)

悲惨。





音もない空間に、ボクと彼女が二人取り残されていた。彼女は静かに微笑みながら、そこかしこの首をボールのように持ち上げて、滴る血液を眺めていた。
ボクには倒れている彼女らの死期が見えていた。今日だった。ボクに殺される運命なんだと思った。ついつい、鎌を振り回してしまった。しかし、間違っていた。女の子の首を跳ねたボクを見て、彼女は落ちていたナイフを拾った。ボクに立ち向かうのか、と思った。それが間違いだった。そのナイフは、彼女のお友だちに突き刺さった。彼女たちの運命の相手は、ボクではなく、彼女だったのだ。ボクが我慢しなかったせいで、彼女が目覚めてしまった。長くてきれいな髪が、血に汚れてしまった。いっそ彼女も殺してしまうか、と思ったが、できなった。ボクも彼女も、すでに家族だった。
「こんなに、簡単に、訓練を受けてきたわたしたちも、簡単に、ふふ」
ボクはそこから逃げていた。





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下に同じ。




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