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おやすみなさいリトルレディ

(2011/12/26)

仏と摩 ちょっと昔の雰囲気で




落ち着かない。そわそわと、落ち着けない。ふかふかと寝具に包まれても、それは変わらなかった。もぞもぞと寝返りを打ちながら、モナコはきゅっと目を瞑った。しかし眠りに落ちることはできなかった。

今日もお疲れさま、俺はやっぱり強くて美しい。酔いしれながらシャンパンを口に含むフランスは、窓際に飾った白薔薇を、うっとりと見ていた。月明かりに照らされた薔薇は、よりいっそう美しい。その美のためにも、休眠は大切なのだ。グラスをテーブルに置いて、ベッドに入った。もぞり、と何かが動いて、フランスは動きを止めた。はて、と思う。今日は特に何もなかったし、マドモワゼルとも会話がなかった。ベッドから出てきたのは、見慣れたさらさらのブロンドだった。え、と思わず声が漏れ、目を疑った。
「……モナコ?」
素敵なパリジェンヌでもパリジャンでもなく、妹分がベッドにいた。何があった。
寝返りを打った彼女が、うぅ、と唸った。今なら起こしても大丈夫だと思った。肩に手をやって揺らそうとして、彼女の頬が濡れていることに気づいた。何があった。いや、何があったと聞くのは無粋だ。相手は女の子で、愛くるしいものだ。寝ながら泣くような少女に、起こして理由を訪ねるようなことは、フランスはしたくなかった。ましてや、相手は可愛い妹分なのだ。
しようがないな、とフランスは袖でモナコの涙をそっと拭い、その隣に寝転んだ。窮屈にならないように、いくらか離れて。柔らかな髪を指ですいて、眠る彼女の頬にキスを落とした。


おやすみなさいリトルレディ






バニラ




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