無双
鮮やかと散り際に笑う

(2011/10/15)

くのいち




勝てる、勝てるよ、大丈夫! 幸村様も、姫様も、死なせやしないよ!
孤高に戦う幸村を守り、最後の力を出しきる甲斐姫を守り、くのいちは真田丸を飛び出した。狙うは、家康の首、それだけだ。敵総大将さえ討ち取れば、勝利はこちらのものだ。そうすれば、みんな、死なずに済む。みんな、あたしが守るのだ。その一心に、くのいちはひた走る。
肩を掠める矢も、首を狙う刀も、気にせずに戦場を駆けた。
「健気なその気持ち、察します」
「何なの、ほんと、意味わかんない!」
そんなことを言うなら、邪魔をするな、そこを退け!
くのいちの叫びに相手は怯んだが、退こうとはしなかった。くないを振り回し、くのいちは相手を倒した。彼女の使命は、いや、願いは、二人を助けること、それだけなのだ。

目の前で、首がひとつ、落っこちて、それを確認して、くのいちの意識は急に遠退いた。
「何やってんのよ、馬鹿……!」
にゃはは、ごめんね。





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ポケットに拳銃




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