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彩られた世界にナイフをあげる

(2011/10/13)

辺と烏




ベラルーシちゃんの髪はきれいだね。そう言いながら、ウクライナが彼女の髪を鋤いていた。雪の白い色に負けない、きれいな色だね。されるがままになっているのは、隣に最愛の兄が座っているからだ。兄が、静かにね、と言った。ベラルーシはそれに従っているだけだ。
雪が降り続いているなか、兄弟三人で身を寄せあっていた。
兄は何も喋らない。マフラーに顔を埋めながら、しんしんと降る白い雪を眺めていた。本当に静かだ。お喋りしているのは姉だけで、それは独り言のようだ。
「寒いねぇ、はやくやんでくれればいいんだけど」
雪が降りやんだら、兄はまたどこかへ行ってしまう。それをベラルーシが追いかける。やまなくても、こうしてそばにいられるなら、それでいいとも思った。

雪が降っていた。重いコートを着て、ベラルーシは家を飛び出した。もちろん、ロシアに行くためだ。降り積もる雪の上を、ずぶずぶと駆けるように歩いていた。
「今日は寒いのに、お出掛けですか」
痩せた老婆が話しかけていた。ベラルーシは思わず立ち止まったが、会話はできなかった。相手の言葉が、理解できなかったからだ。ベラルーシは老婆が何を言っているのかわからない。それなのに、老婆は気づかず、ベラルーシに話しかけていた。
「風邪をひいたら大変ね、温かい格好をしてね」
いらいらし始めた。理解できないお喋りで、邪魔されたくない。老婆を無視してそのまま歩き始めたところだった。
「ごめんなさい、おばあちゃん。ベラルーシちゃん、言葉がわからないの」
ウクライナだった。なぜ姉がいるのか、ここはベラルーシだ。突然現れた姉も、不愉快だった。
「ベラルーシちゃん……」





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藍日

ぼつ

続きが、つながらなかった




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