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Italian excited day

(2011/09/22)

独伊



「あら、お買い物?」
「うん、今日はちょっと特別な日なんだ」
「気になるわ」
「えへへ、ドイツが来るの。だから腕を振るおうかなって」
「それはいいと思う。ここなら新鮮な食材も揃うしね」
「君みたいなベッラもいるしね」
「まぁ」
美人は仕事疲れの恋人に手料理を振る舞いたいのだという。俺と似ているね、と言うと、美人は可愛らしく笑った。こんなガールフレンド、いたら嬉しいな。
イタリアは青空市場で、野菜やパスタを買い求めた。主人がひとつひとつ手作りしたパスタは、色とりどりで、魅力的だった。あれも食べたい、これも食べたい。しかし、料理は自分で食べるためではなく、ドイツに振る舞うためだ。主人が苦笑いしながら見守るなか、イタリアは種類豊富なパスタとにらめっこしていた。結局、ラビオリをいくつか買った。他のところで買った野菜やオリーブ、家にはスペインから分けてもらったトマトがある。そうだ、スープにしよう。
すれ違う人たちと挨拶を交わしながら、イタリアは鼻唄混じりに帰宅した。

家では兄がコーヒーを飲みながら、雑誌を読んでいた。いつものことだ。
「兄ちゃん、朝ごはんは?」
「食った」
「今日、午後からドイツが来るんだ」
「聞いた」
「兄ちゃんはどうする?」
「何で芋野郎なんかが……」
まだまだ眠いらしい。口調に元気がない。ふらふらと歩きながら、リビングを出ていった。おそらく、このままスペインのところへ行くのだろう。途中で転ばないか心配だった。
さて、掃除しなきゃ。
ドイツが来る、会いに来る。
それだけでもイタリアは幸せ気分だった。

《すまない、行けなくなった。代わりに兄貴が向かってる》

…………
プロイセンじゃ意味ないよ!
「い、イタリアちゃん、声!」
「プロイセンー……」
「す、すまねぇ、イタリアちゃん……」





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地味にプロイセンの登場率が高いのは、私の趣味。
ミュンヘン君を写真に収めたい今日この頃




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