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亜細亜こねた

(2011/09/21)

日と湾



あまり西洋の弦楽に詳しくないが、音楽のたしなみは日本にもあった。聞きなれたクラシックは、演奏者とはどうも結び付かなくて、複雑な気分でそのヴァイオリンを聴いていた。しかし、腕はなかなかのものだ。練習の成果が出ている。彼女らしい、麗しい音色だった。
弓を弦から離すと、台湾はきらきらとした目で日本を見つめてきた。感想を欲しているらしかった。
「お上手です。たくさん練習したのですね」
「私の家、ヴァイオリンの教育、頑張ってるんだヨ。私も楽しくなっちゃったヨ」
「好きこそものの上手なれ、と言いますしね」
「日本さんは、何か、ないの?」
はて。台湾の素朴な疑問に、日本は目を丸くし、そして沈黙した。考えてみた。日本が好きなこと、得意なこととは、何だったか。日本の答えを、台湾は純粋な目で待っている。
「……恐れ入ります、実にすみません」
台湾に一礼して、日本はさっと背を向けた。驚いた台湾が追ってくると、日本は走ってその場から逃げ去った。
あぁ、日本男子が背を向けて逃げるなど、情けない! 叫んでいることは日本らしく格好良いものだったが、考えていることはまさに正反対だったという。





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最初に二次元的なところを思い付いて、頭から離れなくなってしまったらしい。よくあるよね、こういうこと。

おまけ

「老師の得意なことは、やっぱり、これだヨ、太極拳!」
「そうでしょうか。ミスターはやはり、料理ではないでしょうか。世界三大料理でしたし」
「兄貴の特技は俺の真似!」
「韓国は違うんじゃないか? ……雑技団?」
「懐かしいですね、久しぶりに聞いた気がします。別荘作り、とか」
「みんな、甘い的な? 正解はあれっす、あれ」
「あぁ、なるほど」
「さすが香港ネ!」
「負けました」

「お前ら、今すぐ正座するある」

「あらいなー、皆さん、あれでわかるのですね」
「慣れだ、慣れ」




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亜細亜中華メンバー、なんちて。




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