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思いやれど

(2011/08/12)

丁→典芬っぽいの




デンマークが家に戻ると、陽射しの暖かなリビングのソファーにスウェーデンがいた。その隣には、当たり前のようにフィンランドがいる。穏やかな天気の、休日の午後のことだった。スウェーデンは余程疲れていたのか、本を持ったまま寝ていて、フィンランドはスウェーデンの肩に寄りかかるように目を閉じていた。仲のいいことだ。スウェーデンはこんなにも無防備で、そうさせているのがフィンランドだった。うらやましい、と思った。それだけ心を開かれているのだから。デンマークとスウェーデンも、今では十分近い距離にいる。それでも、それでも、デンマークはどこか寂しく感じるのだ。デンマークはスウェーデンが好きだった。仲もよかった、と思っていた。無論、アイスランドやノルウェー、フィンランドともだ。
一度部屋に戻って、デンマークはブランケットを持ってきた。スウェーデンの手から本をそっと取って、テーブルの上に置いた。そしてブランケットを二人にかけた。一仕事終えた感覚だった。こういうときには手当てがつくものだ。勝手な解釈をして、デンマークは思案した。スウェーデンの眼鏡に手をかける。起こしてしまわぬように、不器用ながらに気をつけて外した。悔しいが、かっこいい顔立ちだ。感情表現が不器用なスウェーデンも、眠っていればかわいいものだ。フィンランドと並んでいる姿を改めて見つめた。似合っているから、それが自然だから何も言えなかった。二人の頬に順番に口づけて、デンマークはそばを離れた。
「おやすみ」
足音も幾分か静かだった。




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お題に沿って書いて提出と思ったですがね、字数がね……




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