その他
志摩君と燐

(2011/06/20)

私は志摩君が好きだ
(青エク志摩燐チックに志摩君と燐)





ついてない、と思った。女の子に叩かれるなど、かっこいい男志摩廉造、やらかしたな。赤く腫れた頬を擦りながら、志摩はぼんやりと頬杖をついた。勝呂や子猫丸の話も頭に入らなかった。呆れたのか、二人は志摩をおいて教室を出た。次は移動教室だ。やる気もでない。サボりを決め込んで、志摩は教室に残った。窓側の陽当たりのいい席で、外をじっと眺めていた。偶然にも、今朝の女の子を見つけた。隣には見知らぬ男子生徒がいて、肩を落とさずにはいられなかった。地味に傷ついた。

「志摩?」
聞き覚えのある声だった。首を動かすと、奥村燐が立っていた。もう休み時間だったか。時計をみると、まだ授業中だ。勉強が不得手な彼も、志摩と同じくサボりだろう。
「なに、寝てるのか」
「いえ、起きとります、いちおう」
「いちおうって、つまり眠いんじゃねーの?」
けらけらと無邪気に笑う燐は、子供っぽいと思う。ただ、その自由さも、うらやましいと思う。
そのまま通りすぎると思えば、ずかずかと教室に入ってくる。志摩はなぜか、焦りのようなものを感じた。なんだ、これ。
「ほっぺた腫れてんぞ、どうしたんだよ」
痛そうだなぁ、と何気なく触ろうとしてくる燐の手を、志摩は頬杖をやめて、払ってしまった。純粋なのか単に馬鹿なのか、燐は慌てだした。何を思ったのか、ごめん、と謝ってきた。
「な、なに、謝ってんや、奥村君」
「志摩、怒ったのかと思って、これで」
手を払ったことだ。志摩が無言になれば、燐はまた謝っていた。素直すぎるというか、なんというか。志摩は燐を笑った。急に笑い出した彼には、さすがの燐もついていけなくなった。
「奥村君、いい人やなぁ」
「ん、まぁな、へっへっ」
「俺、今、失恋して傷心中やさかい、慰めてくれへんやろか」
「どうすればいいんだ」
「せやな……」
まずは青春の逃避行にでも行ってみよか。




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燐は頭に?を浮かべながら、なんだかおもしろそうだな、と志摩君についていくのでしょう




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