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処女作集:暑い日はこれにかぎるね

(2011/05/29)

佐幸 現代


八月初旬。夏は真っ盛りで、じっとしていても背を汗がつたう時期である。首にはタオルを、手には団扇を装備する。よりによってクーラーが故障したため、扇風機を強にしてフル稼働させていた。それでも暑さを感じずにはいられない。
幸村はテーブルに突っ伏して呆けていた。レポートを進めなければいけないのだが、俄然やる気が起きない。暑さとは集中力を削ぎ落とす。しかたがない。日が沈んで涼しくなってから始めるとしよう。それまではできる限り涼もうではないか。
「旦那、生きてる? シロップは何がいい?」
「、イチゴ」
「承知」
イチゴとレモンで迷ったらしい。結論は赤い方よろしく。間もなくして佐助がかき氷を持ってきた。イチゴは幸村、ブルーハワイは佐助。好みで練乳をかけて、幸村は勢いよく食べ始めた。
しかしかき氷の一気食いは、あとが辛い。
「頭が……っ」
「そりゃあ、あの食いっプリじゃあ、しようがないでしょー」
普通の頭痛とは違った、キーンとする痛み。これがまた地味に辛いわけだ。くれぐれも、皆様には気を付けていただきたい。また冷たいものの食べすぎ飲みすぎは体に悪いので注意しよう。夏バテ防止、三食食べて、栄養と体力をつけましょう。体力は有り余っているはずだったのに。
「お昼はカレーにでもしますか。いやぁ、夏野菜なんていいんじゃない? 俺様冴えてるよねっ」
野菜たっぷりだから栄養補給できるね、学生は体力勝負だから、まぁ、そうではなくて。なぜそんなに元気なんだっ! さすがの幸村もへばっているというのに。いやはや猿飛佐助、侮れない。
「そうとなったら、右目の旦那にでも分けてもらいにいきますか。旦那もいく?」
右目の名で思い付いた。こうなったら政宗の下宿先にでも避難しようか。クーラーの聞いているであろう、あの部屋へ!
突然訪問して、幸村はそのまま一晩居座ったそうな。




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