蜀の和気藹々
趙雲と軍師さま

(2010/04/08)

(蜀の和気藹々・設定)





夕暮れの頃で、外は鮮やかな橙色をしていた。
諸葛亮は退出しようと廊下を歩いていると、とすん、と背中に軽い衝撃を受けた。振り向くと、わずかに身長の高い将軍が抱きついてきた。前に手を回され、動けなくなってしまった。


「どうしたの、趙雲さん」


甘やかすような優しい声で、後ろの彼を呼んだ。


「軍師さま」
「なぁに?」
「仕事が欲しい、です」


働きたい、と趙雲は言うのだ。熱心というより、戦場が生活の基準になっているようだ。困ったものだ、と諸葛亮は思った。


「趙雲さんは私たちの大切な将軍だから、今のうちに、ちゃんと休んでおかなきゃ駄目なんだよ?」
「しかし……」
「子龍さん」


彼の字を呼んだ。咎めるように、少しだけ、語尾を強めて。すると、趙雲は肩を震わせてから、おずおずと諸葛亮から離れた。離れた趙雲を、今度は諸葛亮が前から抱き締めた。そっと頭を撫でると、趙雲から徐々に緊張が解けていった。


「ほら、疲れているだろう」
「……うん」
「君が倒れてしまったら、私も困るんだよ」
「ごめんなさい……」
「わかればいいんだよ。子龍さんは良い子だね」


諸葛亮は自然な動作で、子供をあやすかのように、趙雲の背をぽんぽんと叩いていた。そのうち、すやすやと可愛らしい寝息が聞こえてきた。
ここは屋敷ではないんだよ。困ったように笑う諸葛亮だが、嫌なわけではなくて、趙雲の体を支えながら、きれいな彼の頬を指でつついて感触を楽しんでいた。





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コンセプトは「女性向け・萌えるの」
趙雲と孔明は、仲良し設定。

趙子龍は、任務の忠実な実行者、らしいです。



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