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春ですね(*´∇`) ノ

(2011/05/01)

ヘタリア 独伊+悪友





「あれ、イタちゃんちゃう?」
「ヴェー?」
いつもよりちょっとおしゃれして、小さなあの子が店の前に立っていた。スペインが楽しげに駆け寄る。その後ろには、同じくイタリアを見つけて上機嫌のプロイセンと、ひとり雰囲気の違うフランスがいた。
「なになに、待ち合わせなん?」
「うん。へへー」
幸せそうな笑顔のイタリアに、三人もついつい構いたくなった。
「お前が待ちぼうけとはね」
遅刻していないことを、フランスは持ち前の性格でからかった。ウィンクとか、バラが咲きそうなフランスを、プロイセンが後ろからどついた。痛そうだ。被害者フランスの抗議はもちろん無視だ。
俺だって早起きくらいできるんだから。どうやら今日のイタリアは珍しく早起きならしい。
「そういや、アイツ、朝からそわそわしてた。もしかして、イタちゃん、そういうことか」
「なんや、プロイセン、知っとるんか」
「なるほどね。お兄さん、わかっちゃったわ」
にやにやと、悪友三人組は笑い出す。イタリアも、ばれたことに気づいたようで、気恥ずかしさで慌てた。可愛い女の子を相手にするのと、アイツを相手にするのとは、天地の差がある。悪友は止まらない。
「いたっ」
「お前ら、いい加減にせんか」
スペインとフランスの後頭部が痛んだ。こちらはいつも通り、真面目な格好のドイツだ。
「お、やっぱりヴェストか」
「兄貴もだ。イタリアで遊ぶのはやめろ」
「残念だったな、ヴェスト。俺らが遊んでるのは、イタリアちゃんじゃなくてお前だからな!」
ゴツッと、一番痛い一発はプロイセンに。
「ドイツ、ドイツー!」
「待たせて、悪かった」
「ううん、気にしないよ」
ボタンは締められたか、靴紐は結べたか、迷子にならなかったか。イタリアはドイツに甘えて、ドイツもイタリアを甘やかした。過保護のような、そんな気もするが。
ヴェストがうらやましいとか、せんな独り言も知らないフリだ。三人は黙ってその場をあとにした。




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いいぞ、イタちゃん、かわいいよ。



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