無双
えみとしゅうえん

(2011/03/20)

6イメージ
劉禅と星彩





司馬昭の攻め戦に、もはや蜀は為す術もなかった。
「もう終わりにしよう」
劉禅は王座から降りた。護衛の星彩がなぜ、と言いたそうな顔で立ちふさがった。その険しさに反して、後主劉禅はいつものように笑っていた。
星彩は他の誰よりも、知っていた。暗愚と罵られることに、心を痛めていた。劉禅様はお優しい方である。それこそ先主よりも、仁の心を持つ方なのだ。
「暗愚には暗愚なりにできることもある」
「劉禅様、何をなさるおつもりですか」
「姜維を呼ぶのだ、我らは魏に降る」
一国の主君としては、あまりにもあっさりと、国を捨てる。衛兵のなかには動揺以上に憤りを隠せない者もいた。
「ふふ、星彩、私に怒りを感じるか」
星彩はそれに答えられない。側近が姜維を呼びに行く。彼女がやっと口を開くと、その声は震えていた。常に冷静な少女のこんな姿を、幼い頃からともにいれど、見たことがないように思えた。不謹慎な笑いが溢れるのを、劉禅は止められない。
「私たちは、まだ、戦えます」
「星彩、それに姜維や関索もだ。もう、私のお守りは必要ないのだ。素直に喜ぶべきだ」
「劉禅様!」
「これ以上はそなたらが傷つくだけであろう」
何も言い返せない。劉禅の言動が正しいとは限らない。しかし過っているとも言えない。

「さぁ、参ろうか」

武器を投げ捨てた劉禅は、穏やかに歩いていった。




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6は魏呉蜀クリア、晋の途中
はやく劉禅様でプレイしたいぜ




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