一次創作
聖女は廻る

(2011/02/18)

森の娘シリーズ





「ほんとうにいいの?」
「なぜ、そんなことを聞くのかしら」
「だって、あなたは御神のお気に入りだし」
あたしは御神のそばにいたいから、あなたを斬ることにためらいはないはずだった。これは正当な裁きだもの。それでも、腑に落ちないような気がした。
「これで、いいの?」
「疲れたちゃったんだもの。自由な彼を見ていたら、ついね、魔が差したのかな」
あなたはけらけらと笑う。その理由を、あたしは知らない。
「姫様!」
駆け寄ってくるその人は、この方の騎士だ。汚れているらしい。天使としての禁忌を犯したとか。変な主従だね、本当に。
「……次期聖女、フォンテーヌは、これより断罪の剣を執行します」
剣を降り下ろすとき、誰かの叫びが聞こえた気がした。彼女はこんなにも安らかな顔をしているというのに。
リヴィエールが消えて、騎士もあとを追うように消えた。
あたしはこうして二人を倒し、聖女の座を我が物にした。




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