無双
天使はいつだってたおやかに微笑む

(2011/01/14)

(孫策の死)




毒はすでに全身に回っていた。どうしようもなく体が熱い。たまらなく苦しいはずだけれど、意外と穏やかな気分だった。不思議だ。それを弟や妻に言えば、きっと怒られてしまうだろう。無責任だ、と。しかし、この男ならどうだろうか。
「君が静かなときなんて、あったかな」
「ないに決まってる、そんなのは俺じゃないだろ」
「それもそうだ」
孫策が横になって、起き上がれなくたって、周瑜は乱れたりはしなかった。表面上、いつもと変わらなかった。
「もっと、走っていたかったぜ」
体が動かない。口を動かすのも辛くなってきた。なぁ、この言葉は音になっているか。
自信に溢れた顔で、周瑜は孫策を見つめていた。
「君はその足で走れるだろう、間違いないよ」
周瑜の長くしなやかな指が孫策の頬に伸ばされていた。




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Guilty

ここ、死に際の孫策が多いよね。自覚してる




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