蜀の和気藹々
馬岱伝「流」イメージ

(2010/12/22)



あの空の雲のように、ただ大気に任せて流れていく。さながら自分は、その雲のようだと思った。ただ、流れていく。そんな自分の生が、ときおり恨めしく感じたりもする。巡るように、どこかで死するまで、ずっと。
手に持った鋼鉄の剣は血がべっとりとついている。使い慣れた剣は今はやけに重い。そっと片手を空に向かって伸ばした。何も知らない空は青く、雲はまっすぐな白さだった。
泣きそうな顔で光を求める青年の傍らには、目を見開いた首が転がっていた。
「馬岱様、やることはやる男だからさ、」
任務は成功である。さっさと首を持って、帰ろう。
標された道はまだ長かった。長い道は霞んでいた。
「もう助けろよ、孟起っ!」
叫び声を聞く物は誰もいなかった。




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馬岱はほんといい味出してくれてるよ。

いやぁ、蜀の和気藹々馬岱が、無双馬岱に近くなってしまう気がする。別人なんだからね!




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