無双
1122
(2010/11/23)
「あら、そちらは?」
「だ、大喬姉様っ」
後ろから話しかけられて、尚香は大袈裟なくらいびっくりしていた。その声に、逆に大喬が驚いてしまう。彼女が気になったのは、尚香の手の中のものだった。
「こ、これは……っ」
わかりやすく赤面する尚香に、大喬はくすりと笑った。
「少し早めに渡した方がいいかもしれません。明日になったら、大変ですから」
尚香は、走り出した。玄徳様のもとへ駆ける。
一日過ぎれば、勤労感謝の日。
「別に敬老の日ではありませんし、問題はないでしょうけれどね、ふふ」
「大喬……」
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