「譲歩に譲歩を重ねて私がつぐみを差し出したというのに、言った言葉が?」
「"友達になってください"?」
「「ぎゃはははははは!!」」
「てめーら笑うな!」

ひーひー笑う黒尾と巳。くっそぶん殴りてぇ。笑いながら机をバシバシと叩き、目は涙目である。マジでむかつくこいつら…!

「こ、子供でもそんにゃ告白しねーぜ?」
「せめて女子側が言うセリフだな」
「ちびすけ超女々しい!あはははは!」

わかってるよ…!告白もろくにできない俺はどうせ女々しいチキンだよ!と叫ぶ。それを聞くと巳はさらに爆笑した。

「つーかお前はなんで体育館に居るんだよ!バレー部の朝練中だぞ!」
「だってだってぇ、気になるじゃーん。あの後の展開が」
「俺ら、夜久が付き合えるか振られるかで掛けてたんだけどな」
「その場面まで進めなかったんだねぇ」
「人の恋路で賭け事するんじゃねーよ」
「予想の斜め下を行ったねちびすけ。今度は手助けしてやんねーぜ?」
「帰り誘う時、お前が声を掛けなかったら普通に誘えてたんだけど?」
「えー?つぐみがうんと頷くとは限らなかったぜ?」
「……」
「くくくっ。おい、巳…っ、もうそれくらいに、してくっ、やれよ」

お前も大爆笑じゃねーか黒尾。俺も限界だ。黒尾のケツを思いっきり蹴ってやった。体育館の床に倒れ込み、それでも腹を抱えて笑う黒尾。よし、あとでぜってーシバく。

「でもちびすけよかったじゃん?苦手なバレー部員という人種からランクアップで友達!イイネ友達!ぷくくく!つぐみの親友の座は渡さねーぜ?」
「…友達じゃなくて恋人の座を狙ってるんだけど」
「女々しいチキンちびすけに狙えるかにゃー?」
「うるせぇ!」

リエーフのレシーブの練習をするように巳にボールを撃ちつける。やつは綺麗なフォームでボールをあげる。完璧すぎるレシーブ。俺たち3人に近づかないように練習していた他のバレー部員が感嘆の吐息を洩らす。

「ほーんと、バレー部員でもないのにクソうめぇなお前」
「にゃはは!」
「男装して男子バレー部入部いかが?」
「ぶっとばすぞ黒尾」

やっぱり最大のライバルは巳だと思う。


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なんだか一番キャラ立ってるともちゃん


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