「あ、葛城」
「みひゃひぅ!なんでしょうか、夜久君」
「(みひゃひぅ?)えっと、葛城…よかったら、一緒に」
「よぉよぉ、音駒ちびすけズ。ご機嫌うるわしゅーですにゃー」

げっ、巳。と夜久君が苦い顔をし、逆にともちゃんはにっこり笑顔を浮かべていた。「うちの可愛いチビ子に何の用かにゃ?ちびすけ」「あ?」「子猫が威嚇してもまったく怖くないのにゃー」「喧嘩売ってんのか」「売ってないけど…売ってたら買うぜ?」「いい度胸だ」「え?胸が大きいって?」「言ってねーよ!」…帰っていいかな…。

「なにやってんだ、こいつら」
「…黒尾君…」
「ちょっと嫌な顔したな葛城、いつもの事だけど俺なんかしたか?」
「お、お気になさらず」
「おぅおぅ、ヤマトも居たか」
「誰だよヤマトって」
「クロ助・音駒、ヤマト」
「宅急便じゃねーぞ俺は」
「仕方ねーから郵便物頼むにゃ」
「ちげーっつてんだろ」

んで、お届け物はこれにゃ。と、ともちゃんは私の背中を押した。…ん?「お届け物はつぐみ、超引き下がってやる。配達人はちびすけにゃ」え、ちょっと意味が分かりません。ふと黒尾君を見ると、なんかともちゃんが悪戯するときのような笑みを浮かべていた。

「お前が葛城売るとか珍しいじゃねーか?」
「売るつもりはないんだけど私電車通じゃないしぃ、ちびすけが物欲しそうな目をしてたから仕方なく」
「別に物欲しそうな目なんかして」
「にゃいの?」
「…うっせ」
「にゃははは!ひとつ貸だかんなちびすけ」
「ちびすけ言うな!」

なにやらとんとん拍子で話が進んでいくのですが、ひとつよろしいでしょうか皆さん。

「私の意思は」

「にゃい」
「諦めろ葛城、あと夜久と一緒に帰ってやってくれ頼む」
「うーん?」

なぜ黒尾君に頼まれてまで夜久君と一緒に帰らなければいけないのだろうか。ちらりと夜久君を見ると、困った様な笑みを向けられた。ほら、夜久君だって困ってるじゃないか。なんて思っていたら

「葛城さえよければ一緒に帰らないか?」
「………ひゃい」

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