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2016/02/12
16:01

※多分学校行く途中か帰る途中の及川さんと岩ちゃん
ほぼ会話文です
読みづらい





「あかりってほんとかわいい」

という及川のトークから始まる。顔がゆるみきって本当に気持ちが悪い、その顔でひたすら「あかりかわいい」と連呼する。ウザいことこの上ない。でも、とあかりを思い浮かべてみる。

「まぁあかりは(お前と違って)良い子だよな」
「今なんか副音声聞こえた気がするんだけど岩ちゃん?」
「あかりは大人しいし、気が利くし」
「……」
「どうした?」
「あかりいじめてたから、大人しいのは知ってるけど気が利くとかわかんないな…って」
「そりゃあ避けられてたからなお前」

その点俺はちょっとだけど一緒に遊んでやった事もあるしな。そう言うと及川は「ずるい!」と声を上げた。自業自得だこの野郎。

「あいつ滅多に笑わないから偶に笑う顔とか、見ると嬉しくなるしな」
「岩ちゃんずるい」
「頭撫でてやるとさ、無表情だけどほんの少しだけ顔を緩めるんだよ」
「なにそれ見たい」
「そういや辛子煎餅あげた事あったけど、最初「なんだその得体のしれないものは…」みたいな表情してたのに、口入れた瞬間周りに花が咲いたな」
「あかりの辛いモノ好きの原因は岩ちゃんかこの野郎!」
「ぬれせんべいあげた時のあかりの顔が面白かった」
「あかりの大好物作ったの岩ちゃんかこの野郎!なんで甘いものあげなかったの!?クリーム食べてるあかりとか可愛いでしょ!?」
「家に煎餅と饅頭しかなかったんだよ」

つーかクリーム食べてるあかりが可愛いって意味がわからん。今のあいつ、パフェなんか目の前にしたら凄い嫌な顔するんだろうな…。「最近地獄坦々とか超辛アラビアータとか意味わかんない事言ってるんだよ!」なんだその辛いレパートリーは。でも俺のせいじゃないだろう、それ。

「お前が岩ちゃんって言うから、あかりが1回だけ「岩ちゃ…ご、めんなさい間違えました」なんて言ってよ」
「………岩ちゃんゆるさん」
「そういやまだお前らが仲良かった頃、俺『はじめおにーちゃn』って呼ばれてたよな」
「…は?俺一度も『とおるおにーちゃん』って言われた事ないんだけど!?」
「じゃあ昔からお前は兄として見られてなかったんだろ」
「あ、あか…り………」


道路の真ん中で膝を付く及川、おい車に轢かれんぞ。俺は及川を軽く蹴飛ばす。「…いや、まてよ」及川が顔を上げる。


「前向きに考えるんだ」
「どうして前向きに考えられるんだ」
「昔から一人の男として見」
「車来たぞ轢かれろ」

ぎゃあ!とすぐにその場を避ける及川。横を車が通り過ぎた。運転手には悪いが本当に轢かれればいいと思う。

「まあ、あかりはかわいいよな」

そう言って歩きだす。「い、岩ちゃんであってもあかり嫁には出さないんだからね!」バカな事言う及川を無視した。俺もお前が兄とか御免被る。



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これ、岩ちゃんシスコンなのか…?
と微妙な小ネタでした。
激辛仲間でスガさんともちょっと関わらせたいですね。夏合宿で仲良くなるかな…

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