雑多 | ナノ



毒を食え

「これを、テメエが…?」

「そうだ。」

「…毒とか入ってねーよな?」

「貴様、人に頼んでおいてその物言いはなんだ。」


ある日、仕事帰りの自宅から食欲をそそる匂いが漂ってきた。
まさか人間でも調理しやがったのかこの野郎、と疑ったが見てくれば人の食べる『一般的な料理』であり心底驚いた。
承太郎が疑うのも仕方がない。
唯我独尊、傍若無人、自分の事ばかりで何もしないかと思われたこの男が料理など、しかも店にあっても見劣りしないものを作るとは誰も思うまい。
そういえば前に「働かざるもの食うべからず」と言った気がする。その言葉にプライドが刺激されたのだろうか。あの時「何故そのような面倒な事を…」と一蹴されたのに。全くこの気まぐれ吸血鬼の事はわからない。
料理と料理人、交互に見つめると料理人の眉間に皺が寄った。

「いい加減に認めろ。そして感謝しろ。」

「ああ…すげえな…おつかれさん…」

「ふふ、私の偉大さを今頃理解しても遅いぞ。」

お世辞抜きで、料理の腕に唖然とした。
傍若無人、唯我独尊、天上天下。全てを支配する夜の帝王と言われた男が、奉仕する精神を持っていようとは。

「口を開けろ。」

慌てて立ち上がる承太郎を、強い口調で窘めるDIO。

「座れ。」

再び料理を口に含むと、承太郎に口づける。
料理が喉を通ったか確認するまで、舌を絡めてくる。
承太郎の喉が動いたことにより、満足そうに離れるDIOの唇。

「これで毒ではないとわかったであろう。」

中性的な唇が、満足げに弧を描き毒々しい赤に染まった。
子供をからかうようにくすくす笑うDIOの面妖さに、承太郎は頭を抱えた。

「やれやれ、お前が毒だな。」

++++
いちゃいちゃしだしたよ母さん

14.7.4

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