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※産卵ネタ
ポコリ、ポコリと水の音がする。押し殺した苦悶の声と、不規則な息づかいが痛々しい。
「ア、アクタベ氏……っもう…っ」
「我慢しろ。もう少しだ。」
冷たく言い放ち、気遣う様子もない。だが頼りなく握ってくる手を振り払うことはない。
また一つ、命が産み落とされた。
「痛い…っ」
「…」
情事でも、見ることの少ない涙が光る。今から産み出される命を祝福するかのように、美しく輝き卵と共に落ちる。
始めて手がのびてきた。
「噛んでろ。」
差し出された先には何もない。布も、棒、指しか。
「噛み千切る勢いでいい。噛んでろ。」
どうやら指のことだったようだ。戸惑いがちに揺れていた瞳も、事を理解すると安心の光が灯った。
「これが、最後のチャンスだ。俺を殺しそこねたら、自分を怨め。」
指に歯が食い込むことは、ない。
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ついったで思いついてたやつ
補足しなきゃいけない小ネタェ…
11.10.28
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