禁断の果実2(R18)
 

「ひ、ァ…ぬ、いてぇッ…!」

腕は後ろ手に縛られ、はっきりとした時間は分からないが、後口にはもう長時間ずっと微振動を繰り返す異物に、両目を覆っている布がじわりと湿る。口からも自身からもだらしなく粘液をだらだらと零し、腰だけ突き出して伏(ふ)す自分の姿を想像したくもなかった。
突然口と目を塞がれて、手首は拘束され自由を奪われると無理矢理車に引きずり込まれた。正体不明の(声からして)男に連れてこられた場所はきっと地下で、状況も把握できないまま服をすべて剥ぎ取られ、今に至る。

「なに、バイブじゃ不満?やっぱり本物がいい?」
「ちがっ、も、やめ…ぅくッ、んぁああっ!」
「後ろだけでイけるようになったか。開発し甲斐があるわ」
「んッあ、はぁ、んァ」

無機質なバイブを激しく動かされて、異物感と快感にタマキの自身からは白濁が吐き出された。それが信じられなくて、信じたくなくて、そして知らない男に犯されているという恐怖からタマキはさらに目を覆っている布を濡らす。
思考とは裏腹にびくびくと痙攣する下半身。知らない感覚、知らない男、知らない場所、すべてにおいてタマキには抗う術が見い出せなかった。

「俺以外のモノでイくなんて許せねぇな」
「ぅああッ…も、む、りィ…!」
「そう言う割には俺のに絡み付いてくるぜ?」

自分がイかせたくせに、と内心思いながらも口から零れるのは唾液と悲鳴にも似た嬌声で。やっと異物が抜かれたかと思ったら、休む暇もなく今度はそこに熱いものが一気に奥まで挿入された。
がつがつと腰を打ち付けられ、がくがくと膝が笑い始める。好き勝手に中をかき混ぜられて、また自身が反応していることが恥ずかしくて死にたくなった。

「あッ、ァあっ…!はっ、んア!やぁあッ…そこ、だめッ…だめぇ…っ!」
「だめ?イイの間違いじゃねぇの?」
「ひあっ!そこ、ばっか、イヤッ…あぁア…!いッ…!」
「だから、イヤじゃなくてもっと、だろ?」

男が動く度に響く濡音と、自分のはしたない声に耳を塞ぎたくなる。けれど、手首に巻かれた紐がそうさせてくれない。
彼の手がタマキの胸を這い、突起を何度も掠め、露わになっている細く白い首筋に噛みついた。今では痛みすら快感に変わってしまったことがまた悔しい。
きっと跡が残ってしまったであろうその箇所を彼はぺろっ舐める。それは言葉と行動からは想像もつかないほど優しく。

「ひぅっ…あっ、ぁあッ…!だ、め…も、だめぇッ、っやぁあああア…っ!」
「ッ、くっ…すげ…!」
「はっ、ぁ…んァ、」

タマキが再び吐精すると同時に、中で彼のものからもどろっとしたものが放たれる。頭の中が真っ白になり、瞼は閉じているのに目がちかちかしてタマキはそのまま意識を手放した。
目を覆っていた布はタマキの涙でびしょびしょで。漸(ようや)くヒカルはそれをそっと外してやると、タマキの濡れた目尻を指の腹で拭い、同じように幾重もの涙の筋が伝っている頬を舌で舐めた。

「…タマキ、タマキ…っ、好きだ、タマキ…!」

ヒカルはまるで譫言(うわごと)のようにタマキの名を呼び、気を失った彼の細い体をきつく抱き締める。
そして、先程の行為が嘘のような甘く優しい口付けを落とした。



(初めてのキスは涙の味がした)



(続く)

 
 
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