もしもタマキが双子だったら〜禁断の兄弟愛〜/タマタマ(某双子パロ)
 
 
オレの双子の弟は、はっきり言ってちょっと(いや、かなり)変だ。
心配性で、ただ過保護なだけなのか、寂しがりやなのか分からないが、なんでも俺と同じことをしたがる。四六時中、俺から片時も離れてくれないのだ。
 
「オレも風呂入る」
「えっ!?」
 
俺が風呂に入っているときも必ず毎回こうやって乱入してくる。男同士で狭い風呂に入るのはむさ苦しいことこの上ない。
しかも、なんかジロジロ裸を見られているような気もする。兄弟だし、男同士だから恥ずかしいということはないが、ちょっと気色悪い。
 
「おやすみ、タマキ」
「自分のベッドで寝ろよ…」
「いやだ、タマキと寝る」
 
寝るときも勝手に俺のシングルベッドに潜り込み、一緒に寝ると言い張って聞く耳を持ってくれない。やはり風呂と同様に狭くて寝心地が悪い。
ぎゅうっと抱き締められて暑苦しいし、身動き一つとれない。まるで俺は抱き枕のような状態だ。
 
「トイレくらい一人で行かせろ!」
 
おまけにトイレにまでついてくる始末である。
これにはトキオもさすがに呆れて苦笑い。見てるだけじゃなくて止めてほしいものだ。
 
「おいトキオ!今タマキのケツ触っただろ!?」
「ちょっとしたスキンシップだろ〜?んな目くじら立てなさんなって」
「タマキに触っていいのはオレだけだ!」
 
オレたちは二人で一人、一心同体だからな、と自信満々に胸を張るこのバカを誰かなんとかしてください。
でも、やっぱり弟だけあって憎めないというか、ついつい甘やかしてしまうオレにもまったく非がないわけではない。そんな弟がかわいいと思ってる辺り、オレも相当末期状態らしい。
つまりお互いがお互いを思いやってるということなのだろう。やっぱり弟には頼られたい(いつも守ってもらってばかりだし)とは思う。
 
「落ち着けよタマキ。トキオも挑発するな」
「はいはい」
「…タマキはトキオの味方するのか?」
「味方って…」
「なぁ、どっちなんだよ」
 
ほんとにバカだなぁ。味方とかそんな次元じゃなくて、オレはそんなのとっくに越えてるのに。いい機会だから、ちょっとだけ素直になってみようか。
ちょっと恥ずかしいけれど、やっぱりオレだってタマキのことが好きだから。それを表現しない限りは、このべったりも終わらないのかも知れないし。
 
「味方とかじゃなくて、さ…俺はタマキが一番大切だよ」
「タマキ…!」
「いつも隣で守ってくれてありがとな!」
 
突然ぎゅうっとタマキに抱き締められて、やっぱりべったりは治らなかったか、と少し落胆すると同時に、でもこのままでもいいかもと思う自分がいた。
これがタマキのべったりに拍車をかけた一言だと知るのはもう少し後の話である。
 
「おまえってやつはなんてかわいいことを…!愛してるぞタマキ!」
「ちょ、くるし…」
 
 
 
(よしっ、愛を再確認したところで、もっと愛を深めるために一緒に寝るぞ!)
(今日も!?いやだ!ベッドが狭くなる!)
(なんでだよ!さっきオレに隣にいてくれてありがとなって言っただろ!)
(あ、あれはいつも守ってくれてありがとなって意味で…!)
(いいじゃないか!さぁ、寝るぞ!)
(いやだ!トキオ助けて!)
(さぁて、邪魔なお兄さんはあっちで寝るかなぁ)
(ナイスだトキオ!)
(トキオの裏切り者ーっ!)
 
 

 
 
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