これからも不条理/仙さも(R18指定)
 

これからも不条理/仙さも(R18指定)


これより先は性的な描写が含まれております。
大変申し訳ありませんが、規定年齢に満たない方はご観覧をお控えください。










「立花先輩!」
「…またお前か」

毎日のように現れる左門に仙蔵は僅かながら呆れて煩わしいという表情を貼り付ける。
しかし方向音痴で有名な彼が自分の元に来られていることが不思議でたまらない。普段の彼ならば目的とは間逆の方向に走っていってしまうのだから。

「先輩がぼくのお嫁さんになってくれるまで諦めません!」

毎回恒例の辿々(たどたど)しい口説き文句に溜め息が出る。年下の輩に嫁になってくれと言われてもときめくどころか困惑に近い気持ちになる。自分の胸元辺りにしかたどり着かない上背の左門。それが精一杯の愛の告白だと分かっているから適当にあしらうのも気が引ける。

「何度言えば分かる。私はお前の嫁になる気はさらさらない」
「っ、んむ!」

左門の顎を仙蔵の長い人差し指と親指ですくって幼いその唇を奪う。突然のことに対処しきれなかった左門の小さな手が仙蔵の装束の裾をきゅっと掴んだ。
触れるだけにしてはやや長い口付けに左門は動揺の色を隠せない。ちゅっと名残惜しいリップノイズを残して仙蔵の唇が左門をやっと解放した。

「、年上に逆らうつもりか」
「んはっ…ち、違います、けど、」
「ならば私にすべて委ねろ」
「え、えっ!」

左門の腕を引いて適当な室内に連れ込む。皮肉にもそこはいつも使っている会計室だった。たまたま近くにあっただけで、これから起こることを予測した左門は不安に腰が怖じ気づく。
さすが最上級生と言うべきか、左門の小さな体などいとも簡単に組み敷いてしまった。

「静かにしていろ」
「えっ、ちょ…えっ!や、やだ!やめてください!」
「静かにしていろと言っただろう」

するすると呆気なく剥ぎ取られた装束を余所に、いよいよ後に引き下がれなくなる。肌着一枚になった左門は恥ずかしそうに恐る恐る仙蔵を見上げた。
左門を安心させるためか、それはとても綺麗な微笑みを返す。左門が好きになった笑顔を。

「せ、せんぱ、やっ、あァ、んっ…」
「やはり感度は抜群だな」

私の目に狂いはなかったと胸中で一人ごちて左門の小さな自身に手をかける。それはもう既に濡れそぼって芯を持ち始めていた。指の腹で先の方をぐりぐりと押し付けると腰が揺れ出し、密も溢れ出す。
空いている片方の手で胸の突起を弄れば仙蔵の装束を掴む手に力が入る。

「あっ、も…やァ!ひ、あぁア!」
「イけ」

びくっと腰が大きく震えると左門の自身が弾けて白濁を吐き出した。初めての感覚に生理的な涙を流す左門。零れ落ちる雫を舌先で舐めとって目尻に口付けを落とす。
左門の白濁でどろどろになった仙蔵の指は止まることはなく左門の後ろを弄(まさぐ)った。

「はっ、はァ…や!だめッ、です!そんなところっ、ダメ!」

肩で息をしていた左門に休む暇も与えず指を一本ずつ挿入していく。濡れている指は難なく飲み込まれていった。
仙蔵の中指と人差し指が奥まで到達すると緩急をつけて動き回る。「お前、本当に初めてか?」と訪ねてみても左門は喘ぐばかりで返事など返せない。

「ぼく、ぼくがっそ、にゅッう、するのに、ぃ…っんァ!」
「この状態になってまでまだ言うのか」
「やっ、ア…ん、ああああっ!」

何の断りもなしに仙蔵自身が左門の体内に入り込んだ。突然の圧迫感に息もできず嬌声を上げる左門に遠慮なく仙蔵自身が埋め込まれていく。
力の入らない体で挿入を阻止しようとするも仙蔵の力には適わなかった。止まったはずの涙が再びぽろぽろと零れ落ちる。

「い、たいぃっ…!ひ、ァ!」
「キツいな」
「っ、うく…し、ぬぅッ」
「死ぬわけないだろう」

すべて収まりきると間髪入れずに仙蔵の体が動き出した。左門の両足を胸に押しつけるように深く深く繋がろうとする。
すると、だんだん慣れてきたのか左門の口からひっきりなしに漏れる悲鳴が嬌声に変わっていった。結合部からはいやらしい濡音が響きわたる。

「や、あっ…も、むり、です…ッやめてぇ」
「そうだな、私も限界に近い」
「んぁ!や、ぁあッ!ひァ!ん、ああっ!」

左門のいいところを目掛けて思いっきり突くと先程までの悲鳴が嘘のような甘い声が漏れる。仙蔵が動くたびに揺さぶられる左門の小さな体。左門には少し刺激が強すぎたのだろうか、互いに欲を吐き出すと気絶をしてしまった。

「神崎」
「んぅ、」
「目は覚めたか」
「あれ!ぼく…!」

一刻ほどして左門は目を覚ました。気絶していたうまを伝えると恥ずかしいのか悔しいのか定かではないが耳まで朱に染めて俯いてしまった。神崎、と再び声をかけると今度は真っ赤な顔を上げて捨て台詞を残して乱れた装束のまま会計室を出て行ってしまった。


(立花先輩をお嫁さんにするまで、ぼくまだ諦めませんから!)(…なにを言っているんだ、アイツは)(もう貞操は私が奪ったというのに)


(これからも不条理はきっと変わらない)

 
 
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