幽霊なんかよりもあなたの方が、/竹タカ(小ネタ)
 

幽霊なんかよりもあなたの方が、/竹タカ(小ネタ)


「なに、眠いよ」
「肝試ししようぜ!」
「えええ、今さら?もう夏は終わったよ」
「だって夏休みで会えなかっただろ」
「ううーん、でも怖いよ」
「俺も怖い」
「えー、そこは“大丈夫だよ、俺がいるから”くらい言ってよ」
「怖いもんは怖いんだもん」
「頼りないなぁ」
「さあ、行くぞ!」
「怖がりのくせになんでそんなノリノリなの」
「タカ丸さんがいるから安心」
「おれ、目ェつぶってるよ」
「ぇえっ、それじゃ意味ないじゃん!」
「だって怖いのやだもん」
「頼りねェなぁ」
「竹谷くんにだけは言われたくないよ」
「はははっ!レッツゴー!」
「ううっ、暗いなぁ…」
「夜中の森って薄気味悪いな」
「怖いよーっ…」
「うわ、ほんとに目ェつぶってる」
「てっ、手ェちゃんと繋いでてね…!」
「はいはい」
「…竹谷くん、手ェ大きいね」
「いや、タカ丸さんの手が小さいんだよ」
「男としてはなんか心にぐさっときた」
「タカ丸さんの小さい手、俺は好きだよ」
「…どうも」
「あ、照れた?」
「さあね」
「…なあ、なんか、あそこの茂み、動いてね?」
「えっ…!」
「って、え…ちょっ、うわァァァアアアアアアア!」
「ななななになになにーっ!」
「なーんちゃって」
「、は?」
「ただの猫でしたー」
「っ、ばかばか!」
「あははっごめんって」
「猫ちゃん驚かしちゃってごめんね。悪いのは竹谷くんだから」
「ちょっとちょっとー」
「わっ、この猫ちゃん人懐っこい!かーわいーっ!にゃあ」
「ぶふっ!」
「ちょっと、なんで笑うの」
「いや、タカ丸さんバカかわいい、ぶはっ!」
「なんかすごく腹立つんですけど」
「タカ丸さん、ずっとバカかわいいタカ丸さんでいてくれよな!」
「…バカにしてる?」
「いいえ、滅相もございません」
「もういい。竹谷くんはアホですね、猫さん」
「…さて、そろそろ帰るか。じゃあな、猫!」
「一体なにしに来たのやら」
「なあなあ、俺、男らしかっただろ?」
「どこが。マヌケだったよ」
「うわ、ひでーっ!アホとかマヌケとか恋人に対してひどすぎだろ!」
「…でも、二人っきりになれたから少しは、よかった、かな」
「っ、もうっ!タカ丸さんかわいすぎー」
「かっこいいって言って」
「ええー、じゃあかわっこいい」
「なにそれ」
「かわいいとかっこいいの合体バージョン」
「変なの」
「帰ったら一緒に寝ような」
「、うん」

 
 
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