猟奇的な彼氏/仙さも(R18)
 

「立花、せんぱ、い」
「どうした」

教室と長屋を繋ぐ廊下で、二人はばったりと居合わせた。互いに久しぶりに見る姿はあまり変わっていなくて。顔を見れて、左門はそれにとても安堵した。
(どうした、じゃない…!)
しかし左門は見た目はあまり変わっていないが少しばかり弱っているように仙蔵には見える。

「せんぱ、」
「心配したか?」
「っ、当たり前です、よっ…!」

今にも泣き出しそうな左門の表情に仙蔵は満足して、頭巾の上から頭を撫でる。ついでに前髪を掻き分けて額に口付けを落とした。
十日ぶりの再会に左門の目尻からとうとう滴が零れる。いつも元気な左門のたまに見せる涙は純真無垢で美しかった。

「来い」
「え、せんぱ、い」

左門の手を引いて六年い組の自室に招く。床に座らせて正面から左門の体を抱き締めた。
(ああ、久しぶりだ)
さらさらな左門の髪の毛に指を通して、互いの体温を分かち合う。久方ぶりの温もりに、仙蔵の胸が大きく高鳴った。

「左門…」
「ちょ、先輩、ふ、くっん…!」
「いいだろう」

妖艶な笑みを浮かべ、微(かす)かに熱が集まる左門の小さな自身をするりと撫でる。布越しに舌を這わせると、左門の体が大きく反応を示した。
それにまた気をよくした仙蔵は、口角を釣り上げて左門の衣類を剥いでいく。

「っ、だめって言ったってどうせやるくせにっ…んぅ、」
「ふっ、本当におまえは虐め甲斐がある」
「ひっ、あッ、ああっ…」

白い肌を露出して陰部を隠そうとする両足を無理矢理床に押しつけ、露(あら)わになる左門の自身に手をかける。たった数回だけしか扱いてもいないのに、今にも弾けそうなソレを口に含んだ。
「だめっ!」やら「いやっ!」やら、左門の口から飛び出す否定の言葉とは裏腹に、どんどん膨張し、硬質が増していく。

「、ん…」
「はぁッ、んァ…、まっまさか、飲んだっ…!」
「おまえ早漏だな」

自分から出た体液を飲み込まれれば、左門の顔が朱に染まらないわけがない。羞恥に煽られて下がった眉がその証拠だ。仙蔵が左門に口付けをして口の中に残った精液を飲ませると「ま、まずっ…!」という声が上がった。
吐精の余韻もなく後口を丹念に慣らされ、指を一本ずつ挿入していく。奥に到達する前に見つけた前立腺を刺激しながら、再び熱を持ち始めた左門の自身に再び指を絡めた。

「指でイくのと私のでイくと、どちらがいい?」
「や、ああッ!ひっ、やア、んあっ…!」
「答えろ左門」

鼓膜を揺らす仙蔵の吐息のような低い声に、左門はびくっと身震いをする。体の奥まで浸透するようなその低音は心地よく、ぞくりと背筋になにかが走り、より一層左門を興奮させ、そして同時に期待させた。
どうやら仙蔵は意地でも左門の口から言わせたいらしく、執拗に左門の耳を舐めあげる。観念したのか左門は意を決したように、双眸をぎゅっと固く瞑り、恐る恐る震える口を開いた。

「ひぁ…ッゆびじゃ…や、ァ…!」
「素直な奴は嫌いじゃない」
「ぅア…、んっ、ンんんぅッ」
「ほら、自分の腹を触ってみろ」
「はッ、え…?」

指とはまったく違う大きさのものが左門の中に、ぐぐっと挿入されていく。その質量の違いに背中をしならせて、左門は苦しげに喘いだ。
口元を歪ませたまま仙蔵は、左門の小さな手を取って自分の腹に手を当てさせる。左門は意味が分からないまま、そっと自分の腹を触った。

「私のが挿入ってるのが分かるだろう?」
「っ、やッ…はずかし、んアッ…!」

僅かに膨らんだ腹から手を離すと、間髪入れずに仙蔵は左門の奥を思い切り突く。
左門の両手首を片手でまとめ上げ、なにをするかと思えば、空いている方の手で、その細い首を掴んだ。そして徐々にその手に力を込めていく。

「好きか?」
「っ、んぅッ…っ」
「私は愛している。一度しか言わんからよく覚えておけ」

仙蔵の問いに苦しそうに必死になって、こくこくと頷いてみせると、仙蔵は急に真剣な顔になり、左門の耳元で囁いた。がつがつと突き上げる腰はそのままで。そしてそれはとても甘くとろけるような声だった。
言っていることとやっていることがちぐはぐで、左門は何度も首を縦に振って肯定するのが精一杯で。そんな左門の姿を見た仙蔵は、満足したのかするりと輪郭を撫で、律動に集中した。

「ッかは、はっ、ンぁあ…!」
「少し、痣になったな」
「ひ、ァ…っぅあ…!んあぁあアッ」

愛おしそうにうっとりとしながら、左門の細い首に残った痕を撫でる。白いそこに薄紅色はよく映えた。その擽(くすぐ)ったささえも今の左門には快感に変わる。
抉(えぐ)るような仙蔵の律動に左門は限界を訴えた。至極愉快そうに仙蔵は、今度は左門の胸の突起を優しく齧(かじ)る。

「っ、よく締まるな」
「やっア、も、だめぇッ…!」
「ふっ、いい子にしていたからな。そろそろ褒美をやろう」
「あっ!ぁあッ…ンあ…!は、げしッ、やぁあア…!」
「っ、」

背中を仰け反らせて、快感に身を捩(よじ)り、左門は腰を痙攣させて再び白濁を吐き出した。続いて仙蔵もその締め付けによって、左門の最奥に欲を注ぎ込む。
自身を引き抜けば、左門の後口からはどろりと仙蔵の白濁が溢れ出た。そしてそこに人差し指と中指を再び挿入し、自分が吐き出した精を乱暴に掻き出す。

「ンぁ、やっ、そんなにしたら、またッ…あ、ぁア」
「なんだ、またイったのか」

敏感になっていた左門の中をかき混ぜるように処理をすれば、再び放たれる精に仙蔵は喉の奥でくつくつと笑った。
一日に三度も欲を放てば疲れないわけがない。左門はぐったりと虚ろな双眸で、そんな仙蔵を見上げていた。



(最初で最後の“愛してる”は)
(そんな生易しいものではなかったけれど)
(なんだか先輩らしいと思った)

 
 
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