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仲良くしましょう(カイ+凌+ゆま)
 

※もしWDCが3人一組の団体戦だったら
※カイトさん、シャークさん、遊馬君の3人にチームを組んでもらいました




「納得いかねえ……」
「シャーク、いつまで文句言ってるんだよ。過ぎたことは水に流そうぜ」
チームごとに与えられた控え室の中、仏頂面で腕を組む凌牙に、遊馬は呆れた声を上げた。
鞄から次々にお菓子の袋を出してテーブルの上に広げていると、何をしているのかと尋ねられ、笑顔で答える。
「何っておやつ!休憩時間にみんなで食べようと思ってさ」
「……なんでお前はそんな呑気なんだ!」
地雷を踏んでしまったらしい。本気で怒っている様子に、遊馬はたじろいだ。
「の、呑気って?あ、休憩時間はデッキの調整してろってこと?それなら大丈夫!ちゃんと昨日、アストラルと相談して作ったデッキだから――」
「そういうことじゃねえ!あいつだ、あいつ!ナンバーズハンター!!奴の狙いはお前の魂だぞ!?何の因果で仲良くしなきゃなんねーんだよ!」
「まったくだな」
ドアが開いて、黒いコート姿のカイトが入室してきた。
「俺とて貴様らと馴れ合うつもりはない。だが、勘違いするな。オレの狙いは魂ではなくナンバーズカードだ」
「あ、カイト。おはよー」
ひらひらと手を振ると、後ろから凌牙にどつかれた。
「遊馬……!」
「た、ただの挨拶じゃんか!そんなに怒ることないだろ!」
一度魂を抜かれた件もあって、凌牙はカイトを完全に敵視している。無理もないことだと思うが、遊馬の根気強い説得に一度は折れて、チームを組むことを了承してくれたのだ。仲良くはできなくても、あからさまに敵意を向けるのはやめてほしい。
「シャーク、カルシウム足りてないんだろ。ほら、カリカリ小魚やるから落ち着けよ!」
「いらねえ」
「えー、じゃあカイト。いろんなの持ってきたからさ、好きなの取ってよ!」
「いらん」
全く打ち解ける気のない二人に、遊馬もげんなりしてきた。
「なんだよぉ……トランプとか遊び道具もいっぱい持ってきたのに……がっかりんぐだぜ」
「九十九遊馬、貴様はここへ何をしに来ているんだ。デュエルでナンバーズを集めるためだろう。トランプだのお菓子だの……やる気はあるのか」
カイトに鋭い眼光で睨みつけられ、遊馬は頬を膨らませた。
「あったり前だろ!やる気なら満々だぜ!でも俺は、カード集めも大事だけど、それ以上にデュエルを楽しみたいの。だから仲良くしたいの!チーム戦なんだぜ?こんなギスギスした空気で闘えるかよ。ほらっ」
無理やりカイトの手にお菓子を押し付ける。
むっと眉を寄せて戻そうとしたカイトだが、手の中のものを見て、不意に動きを止めた。
「………」
「ん?どうした?」
「……ふん。いいだろう。もらってやる」
「えっ、本当!?」
急な心変わりに目を丸くする。だが夢や幻ではなく、鞄にお菓子をしまうカイトの姿を見て、遊馬は心が舞い上がるのを感じた。
「やったああ!分かってくれたんだな、カイト!嬉しいぜー!」
「……九十九遊馬、この菓子はもうないのか」
「あるぜ。なんなら全部やるよ!カイトもカ○トリーマアム好きなんだな。俺も好きだぜ!」
大袋ごと差し出して、他にも持ってきたお菓子を見せると、意外にもカイトは手を伸ばしてきた。いくつか選んだのはいずれもチョコ菓子だ。
「へー、カイトはチョコが好きなのか……。さて、次はシャークの番!何が好き?」
「いらねえっつってんだろ」
「カイトも受け取ったんだからワガママ言うなよー」
「ワガママはどっちだ!」
嫌がる凌牙相手に遊馬は一方的に騒いでいる。ふたりを一瞥し、カイトはこっそり微笑を漏らした。
(ハルトにいい土産ができた。今回は感謝しよう、九十九遊馬)



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