「一体何があったんですかねぃ」
「さぁ?ただ…あんまりよろしくない状況ってぇことはわかるわねぇ」
狐やなにかを思わせるような目つきの男と、それから飄々と笑う男が廊下にたちながら言葉を交わす。
「…しかし、まぁ、こりゃまた惨い」
「全く全く。こいつぁ、まぁた帰れなさそう」
開け放たれた襖のその向こう。
20畳以上はあるだろう広い部屋の入口でため息を零す。
その視線の先には長い髪を垂らす女がうつむきがちに座っていた。
女の着物にも周囲の畳には汚れはない。四肢がないというのにも関わらず。
「こりゃぁ…食われたかぃ?」
「この様子じゃ…ご立腹みたいじゃなぁい?あーやだやだ。うちにまで飛び火しないで欲しいわぁ」
「そちゃうちも同じなんだけどもねぃ…」
遠くから足音が幾らか近づいて来る。
顔を見合わせて、音の方向を見やればすぐに屋敷の主たちが姿を表した。
その表情は揃いも揃って薄暗い感情がにじみ出ているものだった。
「玄!喜烏!」
「……遅かったわね」
玄と喜烏と呼ばれた男と並び、部屋を見る。
ついてきた少女にも見れる若い女も続けて見てしまう。
ひゅ、と女の喉がなる。その目に涙が浮かんだ。
神代家からはその日、二人目の死者が出た。
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ノリというか確認がてら書いた短いの。
途中放棄しちゃったやつなんで、妙に尻切れトンボな感じになってますね。
しかし、お題とタイトルをもとにして、
どんな事件があったのかとかはいずれ書き直したいと目論んでおります。
その日がいつになるかは・・・わかりませんが。
即興小説お題【限りなく透明に近い怒り 】より
2013.06.27 移行
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