最近雨が続いてる中、今日は天気が良くて絶好の洗濯日和だ。太陽の光を浴びようと思って外に出ておもいっきり伸びをしていたら、ふいに聞き慣れた声がした。



「おい、何朝からボケッとしてんだよ!」

「あれ、ロヴィーノ。なんでうちにいんの?」

「なんっ…!?今日はアントーニョの家にトマト収穫に行くって言っただろーが!さっさと仕度しろよコノヤロー!」



いきり立って憤慨するロヴィーノ。そんな怒んなくてもいいだろうに。この前テレビでイライラにはカルシウムが効くというのをやってたのを思い出して、ロヴィーノに牛乳を差し出したら怪訝そうな顔をされた。いいから飲め。



「アントーニョさんちのトマトおいしいから楽しみだね」

「そうだな」



何気ない会話をしながら日差し予防のための麦わら帽子をかぶって準備が整った。ロヴィーノもなんだかんだで牛乳を飲んだらしい。牛乳のひげ口の上についてるよ、と指摘してやったら慌てて手の甲で拭ったからちょっとおかしくて笑った。



「笑うな!…チッ、ほら行くぞ」



そう言って手を差し出してきたけど私は意図が分かんなくて「え?」と言ってロヴィーノを見上げたらそのまま頭を小突かれた。ええ…今の地味に痛かったんだけど。



「またお前はボケッとしてどこに行くか分かんないから手繋いでやるってことだよ分かれコノヤロー」

「……手繋ぎたいならそう言えばいいのに」

「っ!?そうじゃなくてだから馬鹿なお前のために」

「分かった分かった」



顔を真っ赤にして弁解しようとするロヴィーノに吹きそうになったけどなんとかこらえて差し出された左手を握った。しかめっ面が一瞬ゆるんだけれどまたすぐにつんけんしながら「そ、それでいい」って言ってきて、素直じゃないけどまあそれがロヴィーノらしいなとか思いながら二人で畦道を歩いていく。さんさんと輝く太陽がやけに眩しかった、とある昼下がり。


幸を摘む




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