バカだとかブスだとかアホだとかドジだとかそういう暴言を吐かれるのにもうすっかり慣れてしまい最近では私もスルースキルが上達して言い返すということをしなくなった。今ではベルのことを子供だなあと思うほど余裕ができて我ながらなんて大人になったんだろうと思う。



「おい、ブス」

「(無視無視無視)」

「お前、なんで怒んないの?」

「は?」



しまった、スルーしようと思ってたのにうっかり返事してしまった!私のばかばか!だけど変な質問してくるベルにも問題があるわけで。怒んないの?って何コイツ私に怒られたいの?とんだドMじゃんか、うわあベルってそんな性癖あったんだ引くわ……



「変なこと考えてっとサボテンにすっから」

「か、考えてないよ!
…もうベルにそういうこと言われんのに慣れたの!だいたい、ブスだとかバカだとか思ってんなら私に話しかけなければいいじゃん」

「…別にそう思ってるわけじゃ…」

「え?なに?」



突然ベルはうつむいたかと思うとボソボソと呟きはじめて、聞き取れなかった私はベルに近づいたが「あ、こっちくんな!」と言われムッとしたけど仕方なくその場で立ち止まった。なんなんだ今日のベルおかしいよ。いや、おかしいのはいつものことだけど。



「…わかんねーんだって」

「え?」

「普通に話しかけようと思ってもお前の顔見ると心にもないこと口から出てくるし、お前が他の男と話してんの見てるとイライラして八つ当たりしたくなるし、ホントわかんない、なんなのお前」

「なんなのって…なに、ベルって私のこと好きなの?
なーんて……」

「っ!?
…そういうんじゃねーし…」



……え、ちょっと待って、今私おもいっきり冗談のつもりで言ったのになんでベル真っ赤になってうろたえてんの、ていうかベルが真っ赤になってるからそれがこっちにまでうつって私も顔赤いんだけど、なにこれ、なにこの展開、



「…す、好きならもっと優しく接して手ぐらい握ったりするイタリア男みたいになってみなよバーカ!」



言いきってから部屋に戻ったときにはもう自分でも何を言ったかよく覚えてなかったけど、その後の夕食で隣に座ったベルが真っ赤になって一瞬手を握ってきたから全てを思い出して恥ずかしくなった。え、ていうか、その意味って、


砂糖菓子をめしあがれ




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