KIRIBAN | ナノ





キラキラ星の見つけ方






「…好きだよ、瑞希の事…」



戸惑いを含んだその声は…

消えてしまいそうなくらい小さくて、聞こえてきた答えが本当に正しいのかさえ疑問に思ってしまうほどだった



「…好きって…どういう事?…どんな風になったら、好きって事なの…?」



真剣な理人の表情に胸の鼓動が消えてしまいそうになってしまうほどだった



「…わかんない…好きって事…」

『…理人…?』



その言葉に胸が締めつけられギュッと拳を握ってしまう

理人は感情が何なのか、よくわからないでいる

とてもシンプルな彼だから…

これがやりたい、やりたくないで行動している

その先にある感情は考えてないというより、わかっていない



「最近、瑞希の事を練習中によく見てるよな?…なんで?」



透の問いかけにキョトンとする理人…



「…瑞希をみてたいから…」

「理人、それが好きになるって事の第一歩だ…」



その人が気になる

相手を知ろうとする

常に見ていたい

側にいたい

触りたい

相手の心に自分の存在を刻みたい

全てが好きだという事なんだと、透は理人に説明をした



「…俺…全部当てはまる」



理人はそう言うと、私の服の端をキュッと握った

彼の熱い視線は私の瞳を捉えてはなさない



『…理人…?』

「俺、瑞希が…好き…」



理人の言葉が私の心をギューッと締めつける

だけど、急に視線を外し透に向かう理人

不思議に思っていると



「透の事も…好き…」



驚いた透の顔に私は笑いを堪えきれなくて、思わず吹き出してしまった

クスクス笑う私を見た透は顔を真っ赤にして髪をかき上げる



「…でも…透もでしょ?」

「…ん…?」

「透も、俺と同じ意味で瑞希が好きなんでしょ?」



一瞬その場が静まりかえる



『ちょ、理人…』

「…あぁ…」

『透!』



透の頷きに動揺を隠しきれなくて…

二人の顔をみれなくなった



「だから、わかったんだよね?…透は俺の事…」

「…瑞希は理人にだって譲りたくない…」



もしかしてこの二人って、私が目の前にいる事を忘れてるんじゃない…?

こんな会話、聞いてられない…

そんな私に無情にも、理人の質問が向けられる



「瑞希は?」

『…そんなすぐに、答えなんて出せない…よ…』

「…ふぅん…」



納得したのか、してないのか…

理人の返事はどちらともとれないもので…

だけど、理人の表情は私の答えを知っているのかも



「焦るなよ、理人!…まだ、始まったばかりだろ…俺とお前の勝負は…」

「…ん、そだね…」



透の言葉に微笑みを浮かべて、二人の間に変な空気が流れる



『そんな…勝負って…』

「瑞希は、黙って見てて。男の勝負だから…」



そんな理人の言葉に透がフッと笑みを浮かべる

私、当事者のはずなのにカヤの外

だけど…

今、選べと言われても無理だし

だって…

二人とも魅力的で、二人とも同じくらい好きなんだもん

困った状況だけど、まだしばらくはこのままでいいかな…

いつかどちらかを選ばないといけない

でもそれまでは…







私のキラキラ星は…どっち…?












-end-

title: 星空ロマンチカ様

2011.05.21





33333番 瑞希様に捧げます

大変、お待たせして申し訳ありません

リク通りになりましたでしょうか?

瑞希様のみ、お持ち帰り可です


ありがとうございました
これからもよろしくお願いします


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