ずっとオレがついてるから
聞きなれたその声に顔を見なくても安堵感が私を包み込んでいく
『…は、晴人さ…』
気が付けば、私は晴人さんの胸に顔を埋めていて…
優しいその声と晴人さんの温かい腕の中は私から恐怖を拭い去ってくれる
「この前の夜の事思い出して怖くなった?」
どうしてこの人は私の心がわかるんだろう…
晴人さんの服をギュッと掴むと黙って頷いた
「美花…、ずっとオレがついてるから…」
思ってもみなかった晴人さんの言葉に驚いて顔をあげた
「怖くないよ?魂は再生されるから…。再生して美花にはまた新しい人生が待ってる
そうやってずっと、ずっと人は生きてきたんだ」
『…晴人さん、お願いです…。その瞬間まで、そばに…私のそばにいてくれませんか?』
想いは告げない…
だけど、このくらいのわがままは聞いてもらえないかな…
「大丈夫だよ。魂になったらケロちゃんとオレが悪魔界まで一緒に行くからね…」
そっか…
確かにそう聞いてた
気が動転してすっかり忘れてた…
『晴人さんとケロちゃんが一緒なら…怖くないかもしれません…』
まだ止まらない涙を指で拭い、晴人さんに笑顔を向ける
「…プッ…プハハ、アハハハ」
私の顔を見て、急に笑い出す晴人さん
「美花、泣いてんのに笑ってる!」
どうやら私の泣いてるような笑ってるようなおかしな顔が晴人さんのツボに入ったらしい…
笑いの止まらない彼を見て、私も何故か笑顔になる
『ひど〜い…晴人さん…アハハ』
「やっぱり美花には笑顔が似合う♪オレ、美花の笑った顔好きだから」
さりげなくそんな事を言われると恥ずかしくなって晴人さんの顔を見れなくなる
ホントに晴人さんて不思議…
さっきまでの絶望感や恐怖が払拭されてしまった
悪魔って言うより、私にとっては天使かも…
「オレね、元天使なんだ。もうすぐまた天使に戻って、今度は魂の再生を行う…
だから、美花の魂はオレが再生するから…」
元…天使…
晴人さんの口から聞かされた事実は私の体に不思議とストンと落ちた
雰囲気が他の悪魔と違う
晴人さんからは恐怖を感じない…
『じゃあ、ホントにずっと…』
「オレが美花のそばについてるから…」
晴人さんにギュッと抱きしめられる
『あ、晴人さん…用事は終わったんですか?』
「うん♪」
きっと晴人さんのことだから何かを察知して私を探してくれたのかも…
晴人さんの腕の中で少しだけ感じた汗の匂いと体温に私は確信する
「ずっと…オレがついてるから…怖くないでしょ…」
うん…
もう怖くない…
晴人さんがずっと一緒にいてくれるから…
-end-
title: 確かに恋だった 様
2011.09.07
gdgdですみませ…
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