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……………
「初めまして。ロビン・ジャックマンと申します」
午前11時。
ここは東側の庭を背にする建物内の豪華な応接室。
部屋の真ん中に四角のテーブルが置かれており、両家の親と子どもが向かい合わせに座っていた。
「………。」
わざわざ今日の為に普段よりも綺麗に身なりを整え、セレブらしく正装をしたサラ。
しかし彼女はそんな格好も似合わないような顔で、目の前の男性に思わず目を奪われてしまう。
この人が…自分の見合い相手。
正式に言えば自分の旦那となる男性。
女性を一瞬で落としてしまいそうな甘い声とマスク。
そして知性を感じさせる賢そうな話し方。
肩につきそうな長さの自分に似た金髪をなびかせる、ハリウッド男優のような男前だ。
ウチのガサツでだらしない男達とは訳が違う。
初めて感じる気品あるオーラに、普段から男性に興味のなさそうな彼女でも思わず顔を赤くしてしまっていた。
「…サラ?」
隣に座っていた父親から背中をポンと叩かれ正気を取り戻す。
あ…いけない。
えっとまずは…
我に返ったサラは、思わず苦笑いをしながら自己紹介を始める。
「サラ・ヒルです。よろしくお願いします…」
「こちらこそ」
モテる男は歯が命とはよく言ったもの。
綺麗な顔で微笑まれ心臓がドキッとしてしまう。
どうしよう…
思った以上に格好良い…
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