……………


「え?ここ?」

「ああ」

「マジでか」

「マジでだ」


朝8時に出発して3時間。

ようやく目的地に到着した彼らの目に映ったのは、映画のスクリーンでしか見た事ないような大豪邸。

家の前には広大な海とビーチが広がり、観光客がたくさん泳いでいる。

入り口の玄関が煌びやかな門で閉ざされていて、

門の隙間から見えるのは駐車された何台もの高級車。

おまけに噴水。手入れの行き届いた庭と呼ぶには勿体ないガーデンスペース。

一見豪華なホテルのような建物だ。



「待て…なんだ、ここは。ディズニーランド?」

「そんなわけないだろ」

呆然としているナイジェルの頭をジムが叩いた。


「サラはな、先祖代々大金持ち一族の超セレブ娘なんだよ。母親はアイツが子どもの頃に亡くなってるんだがな…父親は大きな会社の社長なんだとさ」

「ディズニーランドの社長なのかい!?」

「そんな事一言も言ってないだろうが!」


愕然としているボビーの横っ腹を蹴ったジム。


「とりあえずここまで来たからには、意地でもアイツの見合いを成功させなきゃいけないし」

「よっしゃ!じゃ、早速サラが見合いしてる部屋を探すわよ!」


気合満々のビッキーは早速忍び込めそうな場所を探そうと裏門へ回り込んだ。

気分はまるで泥棒。

そんな彼女の背中を追って、男4人も豪邸の裏へと消えていった。


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