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見えるのは朝日に照らされて光る青い海。
次の日の朝。
昨晩のビッキーの唐突すぎる提案により、一同はサラのお見合いを見届けるべく古い列車に乗っていた。
「サラの実家って初めて行きますね」
彼女は準備をする為一足早く里帰りをしているので、メンバーはサラを抜いた5人。
窓に映し出される自然を眺めながら、纏まって席に座っている。
もちろん話題は本日の見合いについてだ。
「そうだね。彼女の家って僕の家より豪華なのかな?」
「そーだな、お前のボロ家よりは豪華だろうな」
ボビーの一言にナイジェルは古びた列車の内装を見ながらボソリと呟く。
「あれ?お前ら、アイツの実家行った事ないのか?」
「アンタあるの!?」
ジムの一言に隣に座っていたビッキーが驚いて目を向けた。
「仲間だったら普通あるだ…」
ガッ!
ジムが気づくと右にリッキー、左にナイジェルが後ろの席から彼の肩を強く掴んでいる。
「ど…どうしたのかね?君達(汗)」
「いつの間に彼女の実家なんて行ったんですか?しかも俺達に無断で。シメますよ?」
「いや、だからシメるなんて怖い言葉遣っちゃダメだって」
「心配すんな。痛いのは一瞬だけだから」
「本気?冗談だよね?お願い、怖いからこっちに拳銃を向けないで」
左手で後頭部に銃口を突きつけられているジムは、強盗の人質のように両手を上げてプルプル震えている。
すると、彼のふたつ隣に座っていたボビーが気持ち悪い程顔をヌッと近づけてきた。
「サラちゃんの実家…どうだった?」
「あの、えっ…お前ら本気で知らないの?アイツの実家な…」
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