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「…応援しようよ」
「え?」
突然声を漏らしたのは、ボビーの隣に座っていたビッキーだった。
彼女はテーブルを両手で叩いて突然立ち上がる。
「サラもこう言ってるんだしさ!私達も応援しようよ!ね、リッキー!」
「え?あ…うん…」
同意を求められたリッキーは思わず窓側へ目を逸らした。
「おい、ビッキー。いつにも増して気合い十分じゃん。どうしたんだ?」
「だってサラだってお見合い成功させたいわけでしょ?こんな時はやっぱり仲間が支えてあげないとダメってもんよ!」
歯を見せ、親指をグッと天井へ突き立てた。
「ビッキーちゃん素晴らしい!君は女性の鏡だよ!じゃ、ビッキーちゃんの見合い相手は僕という事で…」
「触ってんじゃねーよ、白髪!」
ブスッ!と言い寄ってきたボビーの頭にフォークを突き刺す彼女。
それでもコイツは死なない。
「リッキーも賛成してるんだし!ファルコン、アンタはどうなのよ?」
「ジムだ。そうだな…じゃぁオ…」
「ナイジェルは?」
「最後まで聞けよ」とジムが突っ込む中、ナイジェルは問いかけてきたビッキーを少し見た後に胸ポケットからタバコを取り出した。
「…勝手にやれば」
やる気のない返事。
どうやら本気で拗ねているようだ。
「ったく、お前も成長しないな」
「うるせ」
ジムに笑われているナイジェルは、食事中にもかかわらず行儀悪く頬杖をついた。
「じゃ、皆!明日は朝の8時、サラの実家へ出発するからね!」
「え?俺達も行くんですか?」
「当たり前でしょ、リッキー!サラがヘマをしないように私達で監視しとかなきゃ!」
「はぁ!?」
監視するという言葉を聞いて珍しくサラが焦り始める。
「ちょっ待…来なくていいわよ!」
「いや、行くの!サラのお見合い成功して欲しいもん!そしたらリッキーは私のも…」
「え?」
「あっいや、何でもない!ね、いいでしょ?」
「はぁ」
何度「ダメ」と言った所で、この猪突猛進女が首を縦に振るはずがない。
長年の経験でそれを知っているサラは元気一杯に両手を振り回している彼女を見て、大きなため息をつきながら頭を抑えた。
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