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すっ…



バタン!


彼は漫画のように直立したまま、後ろの床へ倒れた。


「…え?」

「どうした!?」


予想外の展開に3人も身を乗り出す。

どうやら緊張と興奮で自立メーターが振り切れ、意識が吹っ飛んでしまったらしい。

目が白眼を向いている。



「ったく、アンタはいっつも肝心な時に!」


ビッキーはパンッと倒れている彼の頭を叩き、走って逃げてしまった。

彼女も彼女で顔には出なかったが、緊張はしていたようだ。

まぁ、頭から温泉の如く湯気が出ているジム程ではなさそうだが。




結局、仲間達の極秘恋愛教室も何の実りも成果もなく、

ジムの告白大作戦はあえなく失敗に終わってしまった。


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