……………

「仕方ないですね。じゃ次は俺が行くので、ちゃんと参考にしてくださいよ。ジム」

ボビーのとっておき作戦が無残にも失敗に終わった後、次に名乗りを上げたのは可愛らしく微笑むリッキーだった。


「お前は訊いても何も知らなかったじゃないか。どうやって行くんだよ」

「さっきひとつ学びました」

「さっきって…さっきの!?ダメだ、お前にはまだそういうのは早い!第一ここには遺産を目当てに悪事を働く婦人も、禁断の愛に溺れ浮気に走る夫もいないからね!?」



「…で、相手は誰だ?」

ナイジェルの一言に振り向くふたり。

「ビッキーにやったら取り返しがつかない事になりそうですから。試しにサラにやってみます」

「え?ヤバいって!あんな狂犬を相手にして嘘がバレるとたこ殴りにされるぞ!」

「本気なら良いんですよね」

「……っ」



……え、何?

この子、何を言ってるの?

馬鹿なの?

そんな重要な事、わざわざ試しでやらなくても…



「あのさリッキー君…。本気とか…そういうのは俺達がいない所でやってくれない?」

「………?」

「だから…そだ!ナイジェル、お前が代わりに女役やってやれよ!」

「は?嫌に決まってんだろーが」

「じゃぁ俺がやる!だから…」


リッキー「本気で殴られれば良いんですよね(^O^)」


忘れてた、この子は単純に馬鹿なんだった。


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