22

……………

早朝。

まだ薄暗い外の光がカーテンの隙間から入る中、リッキーの目がゆっくり開いた。

朝か…

今何時だろう。

手を伸ばすが、その先にいつもの目覚まし時計はない。

あ、そうか…

ここは俺の部屋じゃないんだった。


「んぅ…ん?」


もう少し眠ろうと手を布団の中へ戻すと、何か自分ではないものが指先に触れた。

何だ、これ…

細くて柔らかい。

髪の毛?

しかも結構長い。

男ではなく女性のものだ。



自分の隣りで女性が眠っている。




「…んぅ……サラ?」

一時ボーッとした後、事の重大さに気づいたのかパチッと目を覚ました。


「え、サッ…サラ!?マジで!?///ちょっ待ってください!俺、そんな事した覚えは!」


慌てて起き上がった彼は、隣で眠っている女性から咄嗟に体を離す。

暗くてよく顔が見えない。

何故か心臓の鼓動が早くなって、息を飲む音さえ大きく感じる。


ドクン…ドクン…

顔を真っ赤にしてジッと彼女の顔を見た。


その時…


[ 55/195 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]